ストーマは医療行為にあたるのか?
法律ではどうなっているのか
医療行為かどうか
ストーマケアにおけるパウチ交換について、これまでは医療行為の範囲に含まれるとして家族や医療スタッフ以外の実施が禁止されていましたが、平成23年の厚生労働省老健局の通達で、「例外的な場合を除いてパウチの張替は医療行為に含まれない」という見解が発表されました。
では、それによって法律が変わったのかというと、そうではありません。現状、厚生省や厚生労働省からパウチ行為が医療行為にあたるという通知は出されていません。担当者によるあくまで個人的見解の発言は見受けられますが、正式な発表や文章が残されているわけではないのです。日本は法治国家なので、法律としての定めがない限り厚生労働省が医療行為にあたるかどうかを勝手に決めることは許されません。決定できるのは裁判所に限られています。つまり、上記で述べた厚生労働省老健局の通達もあくまで見解に過ぎないのです。医療法に正式な記述があるわけではなく、改正される予兆も今のところありません。裁判で争った判例を見てみると、「それなりに危険な行為」として扱われることが多いようです。実際に有罪になった事例では健康被害が何例も出たというケースもあるようです。
とはいえ、厚生労働省が上記の見解を出したのであれば、法律上医療行為に含まれる処置を除けば介護職員でもストーマケアへ積極的に携わることができます。もちろん、専門的な知識を持った上で慎重に取り組まなければなりません。管理の難しいストーマを持っている高齢者ならば、医療スタッフとの連携が重要になってくるでしょう。
介護職員ができるケア
では、具体的にどのような処置が可能なのかを見ていきましょう。ストーマケアに関しては、「医師や看護師が実施するのが望ましい」という前提の上で、肌に密着したストーマ装具周辺の状態が安定している場合にのみ、介護職員でも実施が認められています。なお、尿道から膀胱へ直接挿入されるカテーテルを通して尿を排せつする場合は、袋がいっぱいになった時点か6~8時間ごとの交換が必要です。直接命に関わるような処置ではありませんが、少しのミスが大きな事故につながる恐れがあるため、正しい知識と手順を身につけた上でケアにあたらなければなりません。
その他にも、軽微な切り傷の処置や服薬介助、口腔ケアなどの日常生活に欠かせない生活援助行為は介護職員でも実施可能です。いわゆる医療的ケアと呼ばれるもので、医療スタッフによる医療行為と介護職員による医療的ケアの連携をスムーズに行うことで、看護・介護の質向上につながります。
適切なストーマケアの実践を目指して
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ストーマ造設を行う疾患とは?
ストーマ造設の対象となる疾患で、消化器の疾患として挙げられるは「直腸がん」や「潰瘍性大腸炎」です。また、病状の進行度によっては「クローン病」も対象となります。泌尿器の疾患として挙げられるのは「膀胱がん」や「尿道がん」などです。
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高齢者のストーマケアの問題点
高齢化による身体機能の低下によって、ストーマケアに様々な問題が生じます。それに加えて、認知症を患っている高齢者へのストーマケアはより難しくなります。認知症の症状は利用者ごとに異なるため、個々の状態に応じたケアが求められます。
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集めた情報を活かして転職しよう
転職活動でカギとなるのは情報収集の中でも、ミスマッチを防ぐために必ずやっておくべきなのが「施設見学」です。施設内の雰囲気と、そこで働く職員や利用者の様子を確認して自分に合っているかどうかを見極めてください。