高齢者のストーマケアの問題点
問題点を理解してケアに取り組もう
高齢化に伴う問題
高齢化がストーマケアに及ぼす影響を挙げていきます。まず、高齢化による身体・精神的な変化として視力や手先のコントロール機能が低下します。認知症、身体的合併症の併発も考えられます。感覚機能の衰えや記憶力・判断力の低下もセルフケアに大きな影響を及ぼします。
次に、皮膚の変化による問題です。皮下脂肪の減少、表皮の菲薄化、毛細血管の弱まり、回復の遅れなどの影響で、皮膚トラブルが起きやすくなります。
体型の変化に起因するものとしては、肥満やヘルニアによるストーマ周辺のトラブル、痩せや猫背によるストーマ周辺のトラブル、しわやたるみなどによる装具の密着性低下などが挙げられます。
また、高齢化による社会環境の変化による問題もあります。一人暮らしや老々介護、他者への依存によるセルフケアレベルの低下、経済的な問題など、個々の状況に応じて内容は異なります。
認知症の問題
高齢者のストーマケアで大きな問題となっているのが、認知症の高齢者への対応です。中核症状や行動・心理症状がストーマケアに大きな影響を及ぼします。例えば、装具の装着に違和感を覚えてすぐに外してしまったり、トイレ以外の場所で便を捨ててしまうなどの問題が考えられます。
中核症状には3つの症状があります。まず、「記憶障害」を発症している場合、ストーマケアの際にやろうとしていたことが分からなくなってしまいます。「見当識障害」がある場合は、ストーマケアの手順が分からなくなります。「判断力や記憶力の低下」が見られる際には、人とのコミュニケーションが困難となるため、ストーマケアを他者に任せる場合にトラブルが起きやすくなります。
行動・心理症状が及ぼす影響についても見ていきましょう。まず、「被害妄想」がある場合は、自身のストーマによって周囲に迷惑がかかり、家族が自分を追い出そうとしているのではないかという妄想をします。また、今までできていたことができなくなるのではないかという不安を抱えやすくなります。他者への「依存」が強い高齢者の場合は、一人になることを極度に嫌って落ち着きがない状態が続きます。「抑うつ状態」の高齢者は何をするにも意欲がわかず、ストーマケアも疎かにしてしまう可能性があります。
まとめ
核家族化や社会関係の希薄化が進む現代においては、地域全体で高齢者を支える体制作りが急務となっています。これからは、それぞれの立場から高齢者を支援する姿勢が求められるでしょう。中でも、高齢者の介護を直接行う介護職員の需要は増加の一途をたどっています。
適切なストーマケアの実践を目指して
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ストーマ造設を行う疾患とは?
ストーマ造設の対象となる疾患で、消化器の疾患として挙げられるは「直腸がん」や「潰瘍性大腸炎」です。また、病状の進行度によっては「クローン病」も対象となります。泌尿器の疾患として挙げられるのは「膀胱がん」や「尿道がん」などです。
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高齢者のストーマケアの問題点
高齢化による身体機能の低下によって、ストーマケアに様々な問題が生じます。それに加えて、認知症を患っている高齢者へのストーマケアはより難しくなります。認知症の症状は利用者ごとに異なるため、個々の状態に応じたケアが求められます。
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集めた情報を活かして転職しよう
転職活動でカギとなるのは情報収集の中でも、ミスマッチを防ぐために必ずやっておくべきなのが「施設見学」です。施設内の雰囲気と、そこで働く職員や利用者の様子を確認して自分に合っているかどうかを見極めてください。