認知症の人の対応は?
よく観察した上で対応しよう
基本的なケア
認知症を患う高齢者へストーマケアを行う際に意識すべきポイントを紹介していきます。まずは基本的な認知症の症状と、それに伴う対応法を理解しておかなければなりません。例えば、怒っている人にはキーパーソンを決めて話を聞く、手順書は可能な限り文字数を減らした上で分かりやすく記述する、利用者の職歴や過去などのパーソナルな部分を考慮した対応を行う、などです。
ストーマの介入に関しては、ストーマケアを行うことへのハードルを低くする必要があります。上手にセルフケアができた際には積極的に褒めるなどの対応をしましょう。また、ミトンによる抑制は可能な限り避け、柔らかい素材の装具に変更するなどの工夫をして装着部分に違和感がないようにしてください。ケアをシンプルにするために、「排せつ口の扱いはこのようにして……」といった通常の指導内容に合わせるのではなく、「装具が変更できればOK」くらいの意識を持ちましょう。症状の度合いによっては、ストーマケアで用いる器具や自分の状態が把握できない可能性もあります。その場合は、家族への指導や生活環境の整備などの対応が求められます。
貼る・剥がすのが難しい場合
貼るのが難しそうなのであれば、台紙を1度剥がすだけで装着できるような装具を選びましょう。全面保護材の単品系プレカットがおすすめです。剥がすのが難しそうな場合、肌の状態を観察した上で、そのまま剥がしても皮膚に優しい装具を選びましょう。
袋を触ってしまう場合
認知症の高齢者は、排せつ物を入れる袋が気になって触ってしまうことがあります。その場合、なぜ袋が気になるのかを把握した上で、その理由に応じて対策しましょう。「袋がいっぱいなのが気になる」のであれば、容量が大きく長く保てるものに交換してください。「袋のカサカサ音が気になる」のであれば、音が出ないように工夫しなければなりません。おむつを装着しているなら、音が出ないようにおむつの中に上手く入れ込むなどの対処が必要です。「袋の中身が気になる」場合は、透明ではなく肌色の袋にして目立たないようにしましょう。また、「違和感がある」という理由で触ってしまう人は硬い凸面タイプの装具を使用していることが多いため、その場合は別のタイプに変更してください。
かゆくて剥がしてしまう場合
ストーマ装具の装着部分が「かゆい」という理由で剥がしてしまう場合は、貼る・剥がす際に刺激の少ない装具に変更してください。皮膚の乾燥が影響している可能性もあるため、保湿も必要です。剥離刺激による掻痒感があるのであれば、被膜などの処置が求められます。
適切なストーマケアの実践を目指して
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ストーマ造設を行う疾患とは?
ストーマ造設の対象となる疾患で、消化器の疾患として挙げられるは「直腸がん」や「潰瘍性大腸炎」です。また、病状の進行度によっては「クローン病」も対象となります。泌尿器の疾患として挙げられるのは「膀胱がん」や「尿道がん」などです。
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高齢者のストーマケアの問題点
高齢化による身体機能の低下によって、ストーマケアに様々な問題が生じます。それに加えて、認知症を患っている高齢者へのストーマケアはより難しくなります。認知症の症状は利用者ごとに異なるため、個々の状態に応じたケアが求められます。
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集めた情報を活かして転職しよう
転職活動でカギとなるのは情報収集の中でも、ミスマッチを防ぐために必ずやっておくべきなのが「施設見学」です。施設内の雰囲気と、そこで働く職員や利用者の様子を確認して自分に合っているかどうかを見極めてください。