利用者に合ったケアであることが重要
適切な判断と配慮が必要
状況に応じたケアを
ストーマ造設をした人は過去に大腸がんなどの大きな病気を患い、手術を経験した人です。ストーマはボディイメージを大きく変えるため、ほとんどの人が多くの葛藤や苦悩を経験しています。また、がん再発の不安などもあることから、利用者ごとに異なる状況に応じたケアが求められます。
重要なポイント
ストーマケアで重要なのは「皮膚トラブルの回避」と「プライバシー保護」の2点です。ストーマに異変があると、出血や色の変化が起こります。通常は、綺麗な赤色でみずみずしさが保たれている状態です。ストーマの周辺がかぶれていないか、もしかぶれているのであれば原因は何かなど、ケアにあたる人は注意深く観察しなければなりません。もしトラブルが見受けられるようであれば、医師に報告して必要な処置を行いましょう。また、ストーマ製剤を使用する位置を変えるなどの工夫も必要です。
ストーマ造設によって腸そのものの長さが短くなっています。そのため、便が上手く生成されず下痢になりやすい傾向があります。下痢は皮膚のかぶれの原因になることに加え、脱水を引き起こしやすくなります。頻繁に下痢が見られるようであれば、止痢剤の処方やこまめな水分補給が必要です。
また、ストーマケアを行う際にはプライバシーへの配慮が求められます。便や尿の破棄時だけでなく、入浴時などにも注意しなければなりません。利用者ごとにストーマへの捉え方が異なりますので、相手の尊厳を傷つけるような態度や言葉遣いは絶対に避けてください。
介護職員はストーマケアの介助を行う
ストーマケアを主に行うのは看護師です。介護職員が医療の範囲に含まれる処置を行うことは禁止されています。ただし、適切な指導を受けた上でストーマケアを介助することは可能です。具体的には、看護師がパウチ交換や排せつ物の処理をしている間に、利用者の体位の保持などを行います。また、入浴介助は看護師の管理のもとであれば介護職員でも行えます。入浴時の注意点を理解した上で介助を行い、もしトラブルが発生した場合には即座に報告します。便の漏れへの対策については移動や体位が原因かもしれないので、看護師と介護職員が一緒になって対策を練ります。
寄り添う姿勢が必要
ストーマ造設を経験した人は、多かれ少なかれショックを受けています。ボディイメージの変化というのはメンタルに非常に大きな影響を与えます。乱暴ないい方をすれば、ストーマは常に便失禁をしている状態です。利用者も自分がそのような状態であることを強く恥じているかもしれません。そのため、ストーマケアに携わる際には利用者の心に寄り添う姿勢が求められます。
適切なストーマケアの実践を目指して
-
ストーマ造設を行う疾患とは?
ストーマ造設の対象となる疾患で、消化器の疾患として挙げられるは「直腸がん」や「潰瘍性大腸炎」です。また、病状の進行度によっては「クローン病」も対象となります。泌尿器の疾患として挙げられるのは「膀胱がん」や「尿道がん」などです。
-
高齢者のストーマケアの問題点
高齢化による身体機能の低下によって、ストーマケアに様々な問題が生じます。それに加えて、認知症を患っている高齢者へのストーマケアはより難しくなります。認知症の症状は利用者ごとに異なるため、個々の状態に応じたケアが求められます。
-
集めた情報を活かして転職しよう
転職活動でカギとなるのは情報収集の中でも、ミスマッチを防ぐために必ずやっておくべきなのが「施設見学」です。施設内の雰囲気と、そこで働く職員や利用者の様子を確認して自分に合っているかどうかを見極めてください。